『技術・人文知識・国際業務』とは?
1. 「技人国(ぎじんこく)」在留資格の概要
「技術・人文知識・国際業務」の略称で、専門的な知識や技術を要する業務、または外国の文化に基盤を有する業務に就くための在留資格です。日本国内で2番目に利用者が多く、46万人以上が利用しています。
- 大原則:単純労働の禁止 工場のライン作業、店舗での一接客スタッフ、ホテルの清掃などは原則NG(育成計画に基づき、日本人新卒と同等のキャリアパスである場合などを除く)。
- 3つのカテゴリ
- 技術: 理工系の技術(エンジニアなど)
- 人文知識: 人文社会系の知識(営業、マーケティング、経理、会計など)
- 国際業務: 外国の文化に基盤がある業務(通訳・翻訳、語学教師、ホテルのフロントなど)
2. 【最重要】学歴と業務内容の関連性
入国管理局の審査で最も重視されるポイントです。「大学や専門学校を卒業しているか」だけでなく、「学校で学んだ内容」と「従事する業務」に関連性があるかが境目となります。
学歴がない場合(実務経験による代替): 対象学部を卒業していなくても、母国での実務経験(技術・人文知識は10年以上、国際業務は3年以上)を証明できれば取得可能です。また、法務大臣が告示をした情報処理試験に合格したIT人材も取得可能です。
3. 企業の「カテゴリー」分類と審査への影響
所属する企業の規模や信用力によって1〜4のカテゴリーに分類され、提出書類の量や審査期間が異なります。
| カテゴリー | 対象企業の目安 | 提出書類 | 審査期間(目安) |
|---|---|---|---|
| 1 | 上場企業、国・地方公共団体など | 少ない | 約1ヶ月 |
| 2 | 中堅企業、非上場の法人(法定調書合計表の源泉額1,000万円超など) | 少ない(法定調書合計表など) | 1〜2ヶ月 |
| 3 | 一般的な中小企業(法定調書合計表の源泉額1,000万円未満) | 多い(企業・人材双方の書類) | 2〜3ヶ月 |
| 4 | 新設企業、個人事業主など | 最も多い(3の書類+α) | 長くなる傾向 |
- ※カテゴリーは固定ではなく、企業の業績や上場廃止・規模拡大、オンライン申請システムの登録状況などによって変動します。
4. 2026年4月に新設された「日本語要件(N2要件)」
2026年4月15日より、特定の条件に該当する場合にセファール(CEFR)B2以上(JLPT N2以上相当)の日本語能力が必須となりました。全員が一律で必要になるわけではありません。
N2要件が必須となる条件(以下の2つを両方満たす場合)
- 対人業務に従事すること(通訳・翻訳、ホテルのフロント、営業など。※数字を扱う経理やエンジニアは対象外の可能性が高い)
- カテゴリー3または4の企業で働くこと(カテゴリー1・2の企業、または日本の大学を卒業した留学生を雇う場合は不要)
「N2相当」と認められる6つのパターン
以下のいずれかに該当すれば、実際にJLPT N2の試験を受けていなくても要件を満たせます。
- JLPT N2以上の取得
- BJTビジネス日本語能力テスト400点以上
- 日本の大学の卒業
- 日本の公選・専修学校(専門課程)の修了
- 日本の義務教育を修了し、かつ日本の高校を卒業
- すでに「技人国」の在留資格で中長期在留者として20年間日本に在留している場合
5. よくある不許可パターン(5つの事例)
- 学歴と業務内容の関連性がない(例:教育学部卒で工場の配送作業など)
- 実質的な単純労働になっている(例:エリアマネージャー候補として採用されたが、5年経っても店舗での現場業務のままになっているなど)
- 日本人との報酬格差がある(合理的な理由がないのに、外国籍であることを理由に日本人新卒より給与を低く設定しているなど)
- 雇用先の経営状況の不安定さ(決算書上で企業の存続に懸念があるなど)
- 業務の必要性・専門性の活用理由が不明瞭
6. 企業担当者が実施すべき4つのステップ
- ステップ1: 自社が現在どのカテゴリー(1〜4)に該当するかを確実にチェックする。
- ステップ2: 外国籍社員に任せる具体的な業務内容を整理する。
- ステップ3: 既存の外国籍社員がいる場合、N2相当の資格の有無や、現在の業務が「対人業務」に該当するかを確認する。
- ステップ4: 今後の採用において、母集団形成の基準(日本語要件の有無など)を見直す。
以上、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の概要・注意点などをまとめてみました。
技人国ビザへ変更予定の外国人の方や、外国人の方をご採用・ご採用予定の企業様で、ご不安な点やご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ありがとうございましたm(__)m
